淡河ワッショイのこれまでと、これから。

淡河町の地域おこし団体「淡河ワッショイ」には、30代〜60代の幅広い年代が約30人所属しています。
どんな活動をしているのか知らない方のためにも、発足当時の思いからこれからのことまでお話を聞いてきました。

町の課題を把握すらできていなかった13年前

相良さん
2011年に発足した当時の淡河町は、娘や次の世代になったらどうなるんだろうか…と心配なほど、過疎化と高齢化が進んでいたんです。

吉村さん
「淡河が残っていくために、とにかく何かせなあかん」と考えて集まってもらったのが淡河ワッショイのスタート。
みんな本業を持っているから空いた時間でなんとか考えてしませんかと声をかけて集まって活動しています。

それは10年経ったいまでも同じで、みんな仕事が忙しいときや交流会への参加が難しいときもあるから、自分のタイミングで参加してもらっています。

子育てするお母さんが選んでくれる町にしたい

吉村さん
淡河ワッショイが一つの組織として動こうとするときに、子育てするお母さんが選んでくれる町にしたい
それが町を活性化につながるんじゃないかと考えて一番のテーマにしたんです。

最初の取組みは、メンバーから子育て世代のことに関して「幼稚園の周りは緑がたくさんあるのに、幼稚園のなかには砂場と土しかなく、緑がないのはどうなんだろうか」という声があがったんです。
そこで「景色を変えよう」と芝生化の提案をすることにしました。

兵庫県の事業予算を計画し、有馬ロイヤルさんと相談して芝生を調達させてもらい、PTAや学校の先生方もみなさんが協力してくれて実現することができました。同じタイミングで淡河小学校も芝生化を実施させることができました。

学校の芝生化でみんなが歩み寄れた

幼稚園や学校に芝生を導入することで、子どもたちが寒い日でも外で遊ぼうという雰囲気ができたんです。
ゴルフ場にある芝生と同じ上質な芝生は心地がよく、滑っても怪我をしづらいことが学校からも好評でした。

この経験を町の功績にして発表したことで、みんなが淡河ワッショイに歩み寄ってきてくれる雰囲気をつくることができました。それまでは町全体が「守り」の意識だったのが、前を向いていこうとするワッショイの方向性に賛成してくれた気がしましたね。

町のにぎわいづくりが交流人口の増加に

相良さん
そこからは町の課題を見つけるためにワークショップを2回開催しました。
参加した町民のみんなからは「病院がほしい」「賑わいがほしい」「農地を持て余して跡取りがいない」など、いろんな話が聞けたので、まずはにぎわいを取り戻して人を淡河へ呼び込む取り組みから始めることにしました。

地元の町民で盛り上げるイベントの企画として、夜市・ぶるっと淡河・ぐるっと淡河などが始まり…。
地域の人はもちろん、毎年楽しめることで外部からの交流人口を増やすことができています。

次の世代にも続いていけば

約10年やってきて、やっと神戸市のなかで町おこしのこととなれば淡河に話が来るようになりましたね。
定住促進もみんなが活動をしてくれている。
外部からもイベントに参加して淡河に魅力あると見いだしてくれる人が増えてきた気がします。
淡河ワッショイの認知度も上がってきて、同じような町づくりを意識する人が視察や相談にきてくれるようになりました。

村上さん
夜市でやる肝試しは、今はぼくたちの子供たちが中心にやっている状態。
世代世代で集まってこんなことを淡河でやりたいねという話ができたら、そこから広がっていけるのかな。
10年かかって礎はできたのかなと思うので、あとはどんどんそれぞれのやり方でしていってもらえたら…。

元子さん
石峯寺のお祭りや蛍をみて楽しむ会も、私たちは見てるだけでうれしい。
子供たちがはしゃぎまわっていて、大人のプチ同窓会があちこちで始まっている。
強制するわけじゃなくて、あれやろう!と自発的にお店屋さんしてくれる。その空気感がすごくいい感じ。

世代間のかかわり

吉村さん
僕らの世代はあれしなさいこれしなさいといわれて育ってきたので、自分より下にはそういうことを言いたくない。
だから本当にやれることやりたいことをしてほしい。そのためには僕らが楽しくいきいきしていかないとだめだなと思う。

鶴巻さん
若手が頑張っているといわれるけれど、それの裏には先輩たちが黒子でいろんな調整をしてくれたり自治会の許可とってくれたりやってくれているんですよね。
たまたま前に出ているのが若手なだけなんですよ。周りの方から「どうやったら地域がよくなるんですか」という話を聞かれるなかで、僕に話を聞くよりも50代60代の地域を支えている方がすごくありがたくて、若手は支えてくれる人達がいるから前にいけるだけなんです。

課題が「にぎわいづくり」から仕事や働き方に変化

10年かけてやってきて次は「仕事ができる環境」も作っていかないとあかんよねって話になってたんですよね。
僕は農村スタートアップの担当をさせてもらったり、例えば元子さんはお花のワークショップ担当したり、武野さんは本陣からいろんな活動や仕事の環境をつくっていたり…。
それぞれが活動をしていくなかで、働く場所や仕事がこれだけ広がっているのがすごいなと感じてます。

吉村さん
どんどん若い子たちにも何か活動しやすく、なんでも言いやすい場を作っていきたいな。

子育て世代の意見や課題をこれからも大切にしたい

鶴巻さん
子育て世代はアイデアはあるけど動けない人も多い。
だから企画を投げて、動ける人に動いてもらうのも一つの手だと思う。

相良さん
若い子育て世代の意見を聞けたら各々の年代で動くはずだから、なんでも声をあげてくれるとありがたい。
淡河の子育て世代の人たちでもワークショップをやってみたら課題が拾えるかもしれないね。

この取材のあとすぐに企画が立ち上がり(びっくり)
後日、実際に子育て世代にお話を聞くワークショップを設けさせていただきました。

元子さん
20代30代で地域活動ができなくても、子育てが一段落して40代50代になったときにこういうことをしてもらったから今度は私らがしていきたいという思いが根付いていたらいいなぁ。
余裕が出来たときに「何か出来ないかな」って思ってもらえたら、自分たちがやってきた価値がすごくあると思う。

吉村さん
結婚して淡河から出て行った人も多くいるとなかなか直接的に関われないけど、関わりたいと思っている人が結構いるみたい。他の県では外ででも「淡河会」みたいに銘打って集まる会があるらしいよ。すごく盛り上がっていた。
淡河でも結婚して一回外へ出ると、なかなか帰れない。そういう会があるとパイプができて何か手伝うのにも一つハードルが下がるんじゃないかな。

みんなが少しでもいいからこういう活動を楽しくするのも大事。
言うだけ言って終わりじゃなくてみんなで形にしようという場所でありたいね。

淡河ワッショイはボランティアで淡河町が子育てしやすい町になるように活動している町おこし団体です。
淡河に関わる方で参加の希望や企画・課題の提案なども受け付けています。
ぜひお気軽にお問い合わせください。

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この記事を書いた人

淡河町の有志があつまる町おこし団体です。子育て世代が住みやすい環境づくりをコンセプトに掲げて、活気ある淡河を目指してさまざまな試みに主体的に取り組んでいます。淡河町自治協議会公認

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